フランシス・A・シェーファー
Francis A. Schaeffer(1912‐1984）
20世紀を代表するキリスト教思想家の一人。1912年オーストラリアに生まれ、アメリカで教育を受ける。1938年にフィラデルフィアのフェイス神学校を卒業。1948年以降スイスに住み、伝道活動を行う。1954年、スイスのウエモに若者たちへの伝導と教育を目的とする「避難所（ラブリ）」 L'Abri Fellowship という施設をつくる。全世界から彼の思想的庇護を求めて若者たちがそこに集ったという。「ラブリ」は現代文明の中でキリスト教信仰の意味を弁証する力となった。（邦訳『神なき時代のキリスト者』著者紹介文等より）
「ラブリ」とは現代思想の影響からの避難所である。そこは、現代思想の影響をまともに受けて価値相対主義に陥ってしまった若者が、別の狂信に逃げ込むのではなく、正気に返ることのできる最善の場所の一つであったようだ。シェーファーの議論には今日、非キリスト教徒も真剣に耳を傾けるべきことが多々含まれている。
著作には『そこに存在する神』『理性からの逃走』『神なき時代のキリスト者』『それでは如何に生きるべきか』『真に霊的であること』『クリスチャンのしるし』などがあり、いずれも、いのちのことば社から刊行されている。英語の全集は The Complete Works of Francis A. Schaeffer: A Christian Worldview, Crossway Books, second edition, Wheaton, Illinois, 1985.
ここでは現在入手困難となっている『そこに存在する神』（多井一男訳、いのちのことば社、昭和46年）、および『神なき時代のキリスト者』（長島勝訳、いのちのことば社、1991年）を紹介してみたい。